実家を建て替える|2026年の数字で、できるかどうかを判定する

【PR】本ページはプロモーションを含みます


最終更新:2026年8月16日

結論だけ先に

  • 建築費は1年で8.3%上昇(全国4,259.8万円、首都圏4,761.5万円)。12年で+46%
  • 政策金利1.0%は31年ぶりの水準。 変動金利はメガバンク平均1.082%
  • 完済時年齢80歳の壁。 55歳を超えると急速に難しくなる

根拠と出典は本文にあります。急いでいる方は、下の目次から必要な章だけ読んでください。

「実家を建て替えて住む」を、数字で検証します

相続した実家をどうするか考えるとき、「建て替えて自分が住む」「子どもに住ませる」「二世帯にする」という選択肢が浮かびます。

思い出のある土地に住み続けられる。理屈としては魅力的です。

ただ、2026年の数字を見ると、この選択肢のハードルは明確に上がっています。

この記事では、まずあなたが建て替えられるかどうかを判定します。そのうえで、可能な場合の進め方を書きます。


現実① 建築費が、1年で8.3%上がりました

住宅金融支援機構が2026年7月24日に公表した「2025年度 フラット35利用者調査」の数字です。

2024年度 2025年度 増減
注文住宅の所要資金(全国) 3,932.1万円 4,259.8万円 +327.7万円(+8.3%)
注文住宅の所要資金(首都圏) 4,252.7万円 4,761.5万円 +508.8万円(+12.0%)

出典:住宅金融支援機構「2025年度 フラット35利用者調査」

1年で327万円、首都圏なら508万円上がりました。

1年で、これだけ上がりました 全国 2024年度 3,932万円 2025年度 4,259万円 +327.7万円 +8.3% 首都圏 2024年度 4,252万円 2025年度 4,761万円 +508.8万円 +12.0% 注文住宅の所要資金(フラット35利用者調査)

長期で見ると、さらにはっきりします。

土地付注文住宅の所要資金(全国)
2013年度 3,637.3万円
2025年度 5,313.0万円
12年間の上昇 +46%

「あと数年考えてから」の数年で、数百万円上がります。 これは待つことのコストです。

参考:フラット35利用者の平均像(2025年度・注文住宅・全国)

住宅面積 118.4㎡
融資額 3,247.9万円
世帯年収 718.9万円
総返済負担率 23.0%
年収倍率 6.9倍

現実② 金利が、31年ぶりの水準です

2026年6月16日、日本銀行は政策金利を0.75%から1.0%程度へ引き上げました。1995年以来、約31年ぶりの高水準です。

出典:日本銀行 金融政策決定会合(2026年6月)

2026年8月時点の住宅ローン金利は、

水準
変動金利(メガバンク平均) 年1.082%
変動金利(ネット銀行平均) 年1.211%
フラット35 3.2%超

出典:モゲチェック(2026年8月時点)

「金利が安いうちに」という時代は終わりました。 そのうえで判断する必要があります。


現実③【最重要】年齢の壁があります

これが、実家を相続した世代にとって最大の制約です。

住宅ローンには完済時年齢の上限があり、多くの金融機関で80歳です(一部は85歳、みずほ・ソニー銀行は81歳)。借入時年齢の上限は、フラット35・みずほ・三菱UFJで70歳以下が目安です。

つまり、借りられる期間は「80 − 現在の年齢」です。

借入時の年齢 最長返済期間 4,260万円を借りた場合の月返済
45歳 35年 121,889円
50歳 30年 138,629円
55歳 25年 162,134円
60歳 20年 197,477円
65歳 15年 256,498円

※変動金利1.082%で全額借入と仮定した当サイトの試算。実際の審査・金利は個別に異なります

フラット35利用者の平均世帯年収718.9万円で計算すると、

  • 50歳で借入 → 月13.9万円は年収の23%(平均的な負担率と同水準)
  • 60歳で借入 → 月19.7万円は年収の33%(多くの金融機関の審査上限に近い)

つまり

55歳を過ぎると、建て替えは急速に難しくなります。
借入期間が短くなり、月々の返済が跳ね上がるからです。

55歳を過ぎると、月返済が跳ね上がります 45歳(35年) 121,889円 50歳(30年) 138,629円 55歳(25年) 162,134円 60歳(20年) 197,477円 65歳(15年) 256,498円 4,260万円を金利1.082%で借りた場合の当サイト試算

さらに、団体信用生命保険(団信)の健康要件があります。持病があると加入できず、その場合ローン自体が組めません。年金収入のみでは否認されるケースもあります。

実家を相続する方の中心は45〜60歳です。 つまり、この記事を読んでいる多くの方にとって、建て替えは現実的な選択肢ではありません。

正直に書きます。それでも建て替えが成立するのは、次のような場合です。

  • 45〜55歳で、安定した給与収入がある
  • 自己資金を相当額用意できる
  • 子どもが住む前提で、子ども名義(または親子リレーローン)で組める
  • 現金で建てられる

「子ども名義」は、実は最も現実的な解です。相続した土地を子に贈与または売買し、子がローンを組んで建てる。この場合、年齢の壁は消えます。ただし贈与税の問題が出るので、税理士への相談が必須です。


判定:そもそも建て替えられない土地があります

年齢と資金の前に、物理的に建て替えられないケースがあります。

① 再建築不可

都市計画区域・準都市計画区域内で、幅員4m以上の建築基準法上の道路に、敷地が2m以上接していない場合、建物を建て直せません(接道義務違反)。

ただし「前の道が狭い」と「道路ではない」は違います。4m未満でも2項道路に指定されていれば道路で、セットバックすれば建て替えられます。判定のしかたと、建て替えられなかった場合の出口は再建築不可の実家にまとめました。

古い住宅地では珍しくありません。前面が農道や私道の場合、「道路」に該当しないこともあります。

判定方法:市区町村の建築指導課に「この土地は接道を満たしていますか」と聞けば、教えてもらえます。無料です。

まず、建て替えられる土地かを見る 幅員4m以上の道路に2m以上接していますか はい 建てられます 次は年齢と資金の判定 いいえ 再建築不可かも 2項道路なら可の場合も

再建築不可の土地は、建て替えも土地活用(建築を伴うもの)もできません。 出口は売却か、建築を伴わない活用(資材置き場・駐車場)に限られます。

② 既存不適格

建てた当時は適法だったが、その後の法改正で現行基準に合わなくなった建物です。建て替え自体はできますが、現行の建ぺい率・容積率に合わせる必要があるため、今より狭い家しか建てられません。

「同じ大きさで建て替えるつもりだったのに、2割小さくなる」というのが典型です。

判定方法:同じく建築指導課で、現在の用途地域・建ぺい率・容積率を確認してください。


建て替えには、建築費以外の費用がかかります

見積書の建築費だけを見て予算を組むと、必ず足りなくなります。

費目 目安 出典・備考
解体費 木造 坪3〜5万円(30坪で90〜150万円) 民間の相場情報。公的統計は存在しません
仮住まい 約10ヶ月で140万円以上(4人家族・家賃10万円+敷金礼金+仲介手数料) SUUMO。短期賃貸マンションだと226万円以上
引越し 2回分 建て替えは「出る」「戻る」の2回
建物滅失登記 土地家屋調査士依頼で平均4万7,022円/自分でやれば実費1,000〜3,000円 登録免許税はかかりません
建物表題登記 依頼で11万〜15万円/自分でやれば数千円〜1万円
所有権保存登記 登録免許税 課税標準の0.15%(軽減措置適用時)+司法書士報酬3〜5万円 本則0.4%。軽減措置は令和9年3月31日まで
地盤調査 SWS試験5万〜10万円/ボーリング調査15万〜50万円
地盤改良 30坪で20万〜200万円(工法による) 調査するまで必要かどうか分かりません

合計すると、建築費のほかに300万〜500万円は見ておく必要があります。

この表に入っていない費用が1つあります。水道の加入金です。自治体に直接納めるお金なので、業者の見積に載らないことがあります。同じ口径13mmでも0円の自治体から24万2千円の自治体まであり、川を1本渡るだけで変わります(大田区0円/川崎市165,000円)。引込工事費・下水道受益者負担金との切り分けは建て替えの水道費用にまとめました。

「想定外」で膨らむ代表格

  1. アスベスト含有建材・地中埋設物による解体費の割り増し
  2. 軟弱地盤による地盤改良(30万〜180万円の追加)
  3. 築30年超の給排水管・電気設備の引き直し
  4. 工期延長による仮住まい費用の追加(1〜3ヶ月分)
  5. 建物配置変更による外構工事のやり直し

このうち1と2は、着工してみないと分かりません。 見積書に「地中障害物が出た場合は別途」とあったら、その場で上限の目安を聞いてください。
→ 実家の解体費用と解体業者の選び方


建て替え vs フルリフォーム vs 売却

費用の目安 メリット デメリット
建て替え 30坪1,700万〜2,100万円+諸費用300万〜500万円 現行の耐震基準。設備が全部新しい。住宅ローン控除・補助金の対象 費用最大。仮住まいが必要。既存不適格なら小さくなる
フルリフォーム 30坪 内装のみ1,000万〜1,450万円/外装含む1,350万〜1,800万円 建て替えより安い。既存不適格でも同じ大きさを維持できる 耐震性は建て替えに劣る。基礎・構造の劣化は直せない
売却 費用ゼロ(手取りが入る) 現金化。管理から解放される。3,000万円控除が使える可能性 実家がなくなる

※建て替え・リフォームの費用は民間サイトの相場情報です。公的統計は確認できませんでした

30坪で比べると(民間の相場) 建て替え(本体) 1,700〜2,100万円 建て替えの諸費用 300〜500万円 リフォーム(内装) 1,000〜1,450万円 リフォーム(外装込) 1,350〜1,800万円 建て替えは上の2本の合計です。売却は費用ゼロ

判断の目安

  • 築40年超・旧耐震 → リフォームで耐震性能を確保するのはコストが合わないことが多い。建て替えか売却
  • 既存不適格で床面積が2割減る → 建て替えのメリットが薄い。リフォームを検討
  • 再建築不可 → 建て替え不可。リフォームか売却
  • 55歳超でローンが必要 → 現実的には売却。または子ども名義での建て替え

⚠️ 売却を選ぶ場合、順番に注意してください

相続した実家には、空き家の3,000万円特別控除が使える可能性があります。使えるかどうかで最大609万4,500円変わります。
そして一度でも人に貸すと、この控除は永久に使えなくなります。
→ 空き家の3,000万円特別控除|要件チェックリストと判定ツール


【PR】

建て替えるなら、解体費が総額の起点になります

控除や補助は金額の動く幅が大きいので目を引きます。ただし建て替えの総額は、解体費が決まらないと組み立てられません。先に壊す側の数字を押さえてください。

①同社サイトには「ご利用は無料。ご成約後の請求も一切ございません」と書かれています。
②同社は「契約まで、業者からご連絡がいくことはございません」と説明しています。
③申し込みには物件の情報と写真が要ります。遠方の実家で写真が手元にないなら、次に帰ったときに外観と傷んでいる箇所を撮っておいてください。
④解体する予定がないなら申し込まないでください。重複した申込や、連絡先が実在しない申込は無効と明記されています。
⑤1社の見積りだけで決めないでください。地元の解体業者にも自分で1社あたって、金額の桁が合っているかを確かめてください。
⑥解体補助金を使う予定があるなら、契約・着工の前に自治体へ申請してください。着工後の申請は原則として通りません。

解体の窓口で、無料シミュレーションを試す

見積書のどこを見るかは、この記事の見積書の章に戻って確認してください。お住まいの自治体の制度を先に調べておくと、受付期間に間に合うかどうかも一緒に分かります。

2026年に使える制度

住宅ローン控除(2026年1月〜2030年12月入居)

控除率0.7%、控除期間13年。借入限度額は住宅の性能で決まります。

住宅の性能 借入限度額 子育て等世帯
認定長期優良・低炭素住宅 4,500万円 5,000万円
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円 4,500万円
省エネ基準適合住宅 2,000万円 3,000万円
省エネ基準未満 対象外 対象外

省エネ基準を満たさない家は、住宅ローン控除がまったく使えません。 これは2026年時点の重要な変更点です。

※税制の詳細は必ず税理士または国税庁の公式情報でご確認ください

みらいエコ住宅2026事業(子育てエコホーム支援事業の後継)

区分 補助額 対象
GX志向型住宅 110万円(寒冷地125万円) 全世帯
長期優良住宅 75万円(寒冷地80万円) 子育て・若者夫婦世帯
ZEH水準住宅 35万円(寒冷地40万円) 同上

建て替えの場合、長期優良・ZEH水準で+20万円が加算されます。

⚠️ ZEH水準の注文住宅は、申請期限が2026年9月30日と短縮されています。 予算総額も前年度の約2,100億円から1,750億円に縮小し、補助額も全区分で減額されました。使うなら急いでください。

長期優良住宅・ZEHの税制優遇

  • 登録免許税:所有権保存登記 0.15% → 0.1%
  • 不動産取得税:課税標準から1,300万円控除(一般住宅は1,200万円)
  • 固定資産税:120㎡までの部分が5年間1/2軽減(一般住宅は3年間)

建て替えなら、耐震名目の除却補助が使えることがあります

建て替えのために古い家を壊す場合、空き家名目ではなく耐震名目の補助が使える自治体があります。全国394自治体のうち74自治体がこの型でした。上限115万円といった、空き家枠より手厚い自治体もあります。

自治体上限額
東京都中野区A地域400万円/B地域250万円/…
東京都渋谷区不燃化特区:木造2,400,000円…
熊本県合志市157万5千円(同一敷地内での建て替…
大阪府堺市60万円/戸または120万円/棟(除…
兵庫県芦屋市115万円(建て替えが前提で、除却だ…
東京都日野市80万円(市内業者施工の場合100万…
東京都清瀬市100万円(耐震診断で上部構造評点1…
岐阜県瑞穂市97万8千円(現に居住している住宅が…
長野県伊那市97万6千円(同一敷地内での耐震建て…
埼玉県桶川市80万円(建て替えが前提で、解体だけ…
東京都調布市80万円
東京都大田区75万円

該当は全部で74自治体です。全国の一覧表で実家のある市区町村を確認してください。

この型はほぼ例外なく、先に耐震診断を受けて上部構造評点1.0未満という結果を得ておく必要があります。診断だけで数週間かかるので、建て替えを決めたら早めに動いてください。

建て替えの相談先を比較する

サービス 運営会社 提携数 無料で得られるもの 実績の公表
タウンライフ家づくり タウンライフ株式会社 全国1,000社以上 間取りプラン・資金計画書・土地提案・カタログ 記載なし
HOME4U 家づくりのとびら 株式会社NTTデータ・ウィズ 記載なし 最大5社へのプラン作成依頼、専門アドバイザーの無料相談(60〜90分)、予算シミュレーション 建築総額500億円突破
SUUMOカウンター 株式会社リクルート 記載なし(相談窓口方式) 無料相談・講座、パーフェクトBOOK 利用者52万組(2025年3月末)、満足度97.4%
LIFULL HOME’S 住まいの窓口 株式会社LIFULL 厳選約200社 条件整理相談、資金計画サポート、メーカー紹介 記載なし
持ち家計画 株式会社セレス 記載なし 一括資料請求(間取り・資金計画の明記なし) 記載なし

出典:各サービス公式サイト(2026年8月14日確認)
※タウンライフの数値は、公式サイトへ当サイトの調査環境からアクセスできなかったため、第三者サイトの情報に基づいています。公式での確認をおすすめします

選び方

間取りプランと資金計画を、実際に作ってもらいたい → タウンライフ家づくり
提携1,000社以上で、間取りプラン・資金計画書・土地提案がセットで届くと明記されています。

まず人に相談したい → HOME4U 家づくりのとびら(専門アドバイザーと60〜90分の無料相談)または SUUMOカウンター(利用者52万組)

建て替えでは、資金計画のほうが間取りより先です。 年齢の壁と諸費用を織り込んだ計画が立つかどうかで、実行できるかが決まります。


よくある質問

建て替えの相談は、「いくらかかるか」より先に「そもそもできるか」で決まります。ここでは自分で判定する手順を、電卓と電話でできる形にして書きます。

Q. 60歳ですが、建て替えられますか?

A. ローンを組む前提なら、かなり厳しいです。完済時年齢の上限が80歳の金融機関が多いため、60歳で借りると返済期間は20年。4,260万円を借りると月19万7,477円、フラット35利用者の平均世帯年収718.9万円で計算しても負担率33%になります。

ただし「無理」ではありません。現実的な出口は3つです。

手 効くところ/注意
1 自己資金を大きく入れて、借入額を減らす 年齢の壁は返済期間に効くので、元本が小さければ月々は下がります。退職金を充てる場合は、老後資金を先に別枠で確保してください
2 子ども名義、または親子リレーローン 年齢の壁が消えます。ただし土地を子に渡す方法で税金が変わります(次の質問)
3 売却して住み替える 相続した実家なら空き家の3,000万円特別控除が使える可能性があります。使えるかどうかで最大609万4,500円変わります

それと、金額より先に確認することがあります

団体信用生命保険(団信)です。持病があると加入できず、加入が条件の商品では、その時点でローン自体が組めません。年金収入のみでは否認されるケースもあります。資金計画を細かく作り込む前に、ここを先に確かめてください。

Q. 自分がいくらまで借りられるのか、先に知る方法はありますか?

A. 金融機関に行く前に、電卓だけで当たりがつきます。本文の返済表を「100万円あたり月いくらか」に直しました。

借入時の年齢 返済期間 100万円あたりの月返済
45歳 35年 約2,861円
50歳 30年 約3,254円
55歳 25年 約3,806円
60歳 20年 約4,636円
65歳 15年 約6,021円

※本文の試算(4,260万円・変動金利1.082%・全額借入)を100万円あたりに割り戻した当サイトの計算です。実際の審査金利・条件は金融機関ごとに異なります。

使い方は3ステップです

やること 例(年収700万円・50歳)
1 80 − 今の年齢=最長の返済期間 80 − 50 = 30年
2 年収 × 23% ÷ 12=月々の返済の目安
(23%=フラット35利用者の平均総返済負担率)
700万 × 0.23 ÷ 12 = 月約13.4万円
3 ②の金額 ÷ 上の表の数字 × 100万円=借りられる額の目安 134,000 ÷ 3,254 × 100万 = 約4,100万円

この4,100万円と、建築費の全国平均4,259.8万円を並べてください。そして建築費のほかに300万〜500万円が要ることも足してください。ここで足りない場合、間取りの相談に進んでも意味がありません。先に自己資金か、子ども名義か、売却かを決める段階です。

この記事に出てくる2つの建築費について

この記事には、建築費の数字が2つ出てきます。4,259.8万円(フラット35利用者が実際に用意した資金の平均・住宅面積118.4㎡=約35.8坪)と、30坪で1,700万〜2,100万円(民間サイトの相場情報)です。坪単価に直すと、前者が約119万円、後者が約57〜70万円。2倍近い開きがあります。

面積が違うことに加えて、含まれる範囲が違うためだと考えられます(付帯工事費や諸費用をどこまで入れているか)。ただし、内訳までは確認できませんでした。なので、どちらが正しいとは書きません。使い分けはこうしてください。資金計画を組むときは高いほう、業者の見積りを見比べるときは低いほうを目安にする。資金計画は、多めに見ておくほうが安全です。

借入時の年齢にも上限があります。フラット35・みずほ・三菱UFJは70歳以下が目安です。完済時年齢は多くが80歳(一部85歳、みずほ・ソニー銀行は81歳)。「80」の部分は、実際に使う金融機関の数字に置き換えて計算し直してください。

Q. 子ども名義で建てるのはアリですか?

A. 年齢の壁が消えるので、最も現実的な解の一つです。ただし「土地をどうやって子に渡すか」で、税金がまったく変わります。

土地の渡し方 何が論点になるか
贈与する 贈与税。相続時精算課税を選ぶかどうかも含めて、金額が大きく動きます
売買する(親子間売買) 売った親に譲渡所得税がかかります。また価格が安すぎると別の問題になります
貸す(使用貸借) 土地の名義は親のまま。将来その土地は親の相続財産として残ります。小規模宅地等の特例をどう使うかが論点になります

ここは、税理士に「何を聞くか」で結果が変わります

当サイトでは、どの方法が有利かを書きません。土地の評価額・親の資産全体・相続人の数で答えが変わり、一般論で書くと確実に外れるところだからです。代わりに、そのまま持っていける質問を置きます。

税理士に聞くこと
1 「この土地を子に贈与・売買・使用貸借で渡した場合、それぞれ今かかる税と、将来の相続でかかる税はどうなりますか」(今と将来をセットで聞くのが大事です)
2 「相続時精算課税を使う場合と使わない場合で、どちらが有利になりますか」
3 「小規模宅地等の特例は、この渡し方をしたあとでも使えますか」
4 「親子リレーローンにした場合、持分をどう入れるのが自然ですか」(お金を出した人と登記の持分がずれると、贈与とみなされることがあります)

建築会社を決める前に相談してください。契約してからでは、名義の設計をやり直せません。

Q. 建て替えとリフォーム、どちらが得ですか?

A. 金額だけなら、リフォームのほうが安く収まります。30坪で、建て替えが1,700万〜2,100万円+諸費用300万〜500万円、フルリフォームが内装のみ1,000万〜1,450万円/外装を含めて1,350万〜1,800万円です(民間サイトの相場情報。公的統計は確認できませんでした)。

ただし、金額以外に3つの分かれ目があります。

あなたの実家 寄せるべき方向
築40年超・旧耐震 建て替えか売却。リフォームで耐震性能を確保するのは、コストが合わないことが多い
既存不適格で床面積が2割減る リフォーム。小さくなるなら、建て替えのメリットが薄れます
再建築不可 リフォームか売却。そもそも建て替えられません

★ 2025年4月から、フルリフォームにも建築確認が要ることがあります

ここは新しい論点なので、詳しく書きます。2025年4月1日以降に工事に着手するものから、階数2以上、または延べ面積200㎡超の木造建築物が建築確認の対象に加わりました(いわゆる「4号特例」の縮小)。ふつうの木造2階建ての実家は、ここに入ります。

対象になるのは「大規模の修繕」「大規模の模様替」で、国土交通省はこう定義しています。

建築物の主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根または階段)の1種以上について行う過半の改修等

出典:国土交通省「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続」(2026年8月16日確認)

「過半」かどうかで線が引かれるので、具体例まで示されています。

工事 建築確認
屋根:垂木にまで改修が及び、水平投影面積の過半 必要
屋根:屋根ふき材のみの改修/カバー工法 不要
外壁:外装材のみの改修/カバー工法 不要
外壁:全体を改修して過半になる場合 必要

建築確認が要るということは、申請の手間と期間、設計費が乗るということです。そして確認申請を出す以上、工事の範囲について現行の基準に照らして審査されます(既存不適格の建物には緩和の規定もあるので、どこまで求められるかは設計者に確認してください)。「リフォームなら安くて早い」という前提が、工事の範囲によっては崩れます。

リフォーム会社に見積りを頼むときは、この一言を足してください。
「この工事は、大規模の修繕・模様替にあたって建築確認が必要ですか。必要なら、その費用と期間も見積りに入れてください」

ここで金額が跳ねるなら、建て替えとの差は縮まります。まず建築指導課で用途地域・建ぺい率・容積率を確認し、建て替えたときに何㎡建つかを出したうえで比べてください。

Q. 再建築不可かどうかは、どこで確認できますか?

A. 市区町村の建築指導課で、無料で教えてもらえます。都市計画区域・準都市計画区域内では、幅員4m以上の建築基準法上の道路に、敷地が2m以上接していることが必要です。

そのまま読み上げられる聞き方を置きます。

「◯◯町◯丁目◯番の土地について伺います。この敷地は接道義務を満たしていますか。前面道路は建築基準法上の道路にあたりますか。あたる場合、道路の種別も教えてください。あわせて、用途地域・建ぺい率・容積率もお願いします」

道路の種別まで聞くのが要点です。幅が4m未満でも、いわゆる「2項道路(みなし道路)」に指定されていれば、中心線から2m下がる(セットバックする)ことを条件に建て替えられます。地図を見ても分かりません。窓口に聞くしかありません。

古い住宅地では、前面が農道や私道で「道路」に該当しないことがあります。再建築不可だと、建て替えも、建築を伴う土地活用もできません。出口は売却か、建築を伴わない活用(資材置き場・駐車場)に限られます。その場合の売り方は古家付きで売るか、更地にして売るかにまとめました。

Q. 既存不適格だと、どのくらい小さい家になりますか?

A. これは、その場で計算できます。建築指導課で聞いた数字を、次の式に入れてください。

計算 意味
1 敷地面積 × 建ぺい率 1階の床面積の上限(建築面積の上限)
2 敷地面積 × 容積率 延べ床面積の上限
3 ②と、いまの家の延床面積を比べる 差がそのまま「小さくなる分」です

敷地面積と、いまの家の延床面積は、固定資産税の課税明細書に書かれています(毎年4〜6月に納税通知書と一緒に届きます)。役所に行く前に、この紙を用意していってください。その場で答え合わせができます。

「同じ大きさで建て替えるつもりだったのに、2割小さくなる」というのが典型です。2割減ると、収納と部屋数がまず削れます。この時点でリフォームに寄せる判断は、十分に合理的です。

Q. 建築費のほかに、いくら見ておけばいいですか?

A. 300万〜500万円です。見積書の建築費だけで予算を組むと、必ず足りなくなります。

費目 目安 自分でやると
解体費(木造) 坪3〜5万円(30坪で90〜150万円) —(民間の相場情報。公的統計は存在しません)
仮住まい 約10か月で140万円以上(4人家族・家賃10万円+敷金礼金+仲介手数料) —(短期賃貸マンションだと226万円以上)
引越し 2回分(出る・戻る) —
建物滅失登記 土地家屋調査士に依頼で平均4万7,022円 実費1,000〜3,000円(登録免許税はかかりません)
建物表題登記 依頼で11万〜15万円 数千円〜1万円
所有権保存登記 登録免許税 課税標準の0.15%(軽減措置適用時。本則0.4%)+司法書士報酬3〜5万円 —

そして、着工してみないと分からない費用があります

アスベスト含有建材・地中埋設物による解体費の割り増しと、軟弱地盤による地盤改良(30万〜180万円の追加)。この2つです。ほかに、築30年超の給排水管・電気設備の引き直し、工期延長による仮住まいの追加(1〜3か月分)、建物配置を変えたことによる外構のやり直しがあります。

見積書に「地中障害物が出た場合は別途」と書かれていたら、その場で上限の目安を聞いてください。解体費の内訳と業者の選び方は実家の解体費用に、自治体の解体補助金は解体補助金データベースにあります(補助金は着工前に申請しないと1円も出ません)。

Q. 補助金と住宅ローン控除は、いつまでに何をすればいいですか?

A. 先に決めるのは金額ではなく、家の性能です。省エネ基準を満たさない家は、住宅ローン控除がまったく使えません。これが2026年時点でいちばん大きい変更点です。

住宅の性能 ローン控除の借入限度額 みらいエコ住宅2026の補助額
GX志向型住宅 — 110万円(寒冷地125万円)・全世帯
認定長期優良・低炭素住宅 4,500万円(子育て等世帯5,000万円) 75万円(寒冷地80万円)・子育て/若者夫婦世帯
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円(同4,500万円) 35万円(寒冷地40万円)・同上
省エネ基準適合住宅 2,000万円(同3,000万円) —
省エネ基準未満 対象外 —

この表は、2つの制度を並べたものです。「GX志向型住宅」はみらいエコ住宅2026の区分で、住宅ローン控除は認定長期優良・低炭素/ZEH水準/省エネ基準適合の3区分で決まります。区分の切り方が制度ごとに違うので、建築会社には「両方の制度で、この家はどの区分になりますか」と聞いてください。

控除率0.7%・控除期間13年(2026年1月〜2030年12月入居)。建て替えの場合、長期優良・ZEH水準で補助額に+20万円が加算されます。

★ 急ぐ理由がある区分があります

ZEH水準の注文住宅は、申請期限が2026年9月30日と短縮されています。予算総額も前年度の約2,100億円から1,750億円に縮小し、補助額は全区分で減額されました。使うつもりなら、建築会社を決める段階でこの期限を伝えてください。

長期優良住宅・ZEHには、税制のおまけもあります。所有権保存登記の登録免許税が0.15%→0.1%、不動産取得税は課税標準から1,300万円控除(一般住宅は1,200万円)、固定資産税は120㎡までの部分が5年間1/2(一般住宅は3年間)。性能を上げる費用と、これらの合計を並べて決めてください。

※税制の詳細は、必ず税理士または国税庁の公式情報でご確認ください。

Q. 実家を相続しましたが、住むかどうか迷っています。

A. 先に「売ったらいくらか」を確認してください。建て替えの資金計画は、売却額と並べてはじめて判断できます。査定は無料で、申し込んでも売る義務は生じません。

ただし、順番を間違えると数百万円を失います

相続した実家には、空き家の3,000万円特別控除が使える可能性があります。使えるかどうかで最大609万4,500円変わります。そして一度でも人に貸すと、この控除は永久に使えなくなります。

「とりあえず貸しておこう」がいちばん危険です。数万円の家賃のために、数百万円の控除を捨てることになります。要件は空き家の3,000万円特別控除のチェックリストで先に確かめてください。

3つの選択肢の損益分岐は売る・貸す・持ち続ける、売却価格を自分で調べる手順は実家の売却相場を調べる3つの方法にあります。

Q. 相続登記がまだですが、建て替えられますか?

A. 進みません。登記が済んでいないと、ローンの担保設定ができないからです。金融機関は土地に抵当権を設定して融資します。名義が亡くなった親のままでは、その手続きに入れません。

そして、相続登記は2024年4月から義務です。3年以内に申請しないと、10万円以下の過料の対象になります。手順は相続登記の義務化にまとめました。

共有名義のままにしないでください

兄弟の共有で登記すると、建て替えにも売却にも全員の同意が要ります。そして共有者の誰かが亡くなれば、その持分はさらに複数の相続人に分かれます。登記の段階で誰の名義にするかは、建て替えの可否そのものに直結します。共有で止まったときの進め方は仲介と買取の違いの共有持分の項にあります。

売る・貸す・持ち続けるを比べる解体費の相場と内訳を見る相続登記の手順を見る


まとめ

  1. 建築費は1年で8.3%上昇(全国4,259.8万円、首都圏4,761.5万円)。12年で+46%
  2. 政策金利1.0%は31年ぶりの水準。 変動金利はメガバンク平均1.082%
  3. 完済時年齢80歳の壁。 55歳を超えると急速に難しくなる
  4. 再建築不可・既存不適格なら、そもそも建て替えられない。 建築指導課で無料で確認できる
  5. 建築費以外に300万〜500万円(解体・仮住まい・登記・地盤)
  6. 省エネ基準未満の家は、住宅ローン控除が使えません
  7. ZEH水準の補助金は申請期限が2026年9月30日。使うなら急ぐ
  8. 迷ったら、まず売却額を確認する。 比べてはじめて判断できます

【PR】タウンライフ

建てる前に、間取りと資金計画を複数社から取り寄せる

この記事で見たとおり、建築費は1年で8.3%上がっています。同じ要望を伝えても、出てくる間取りと金額は会社によって変わります。比べられるのは、各社が実際に出してきたプランだけです。タウンライフ家づくりは、間取りプラン・資金計画・土地情報を複数社から無料で取り寄せられるサービスです(同社の説明)。全国が対象で、来店は不要です。

先に断っておきます。
①一括で複数社に依頼する形です。1社だけ選ぶとプランは届きません。成果条件がそう決められています。
②土地の条件や地域によっては、紹介できる会社が見つからないことがあります。その場合はプランが届きません。
③届くのは「間取りプラン」と「概算の資金計画」であって、確定した金額ではありません。
④再建築不可の土地は、どこに頼んでも建てられません。先に建築指導課で接道を確認してください(このページのFAQに聞き方を書きました)。

複数社にまとめて間取りプランと資金計画を請求する(無料)

【PR】

「建てられるかどうか」を、無料で相談する

この記事の判定で「いけそう」と出た方へ。くふうイエタテカウンターは、特定のハウスメーカーに属さない無料の相談窓口です。予算・土地の条件・完済時年齢を伝えると、条件に合う建築会社だけを絞り込んでもらえます。相談だけで終わっても費用はかかりませんし、その場で契約を求められるものでもありません。

先に正直なことを書きます。相談しても、建て替えられない土地は建て替えられません。再建築不可なら、どの会社に相談しても答えは変わりません。先に建築指導課で、接道・用途地域・建ぺい率・容積率を確認してから行ってください(無料です。聞き方はこのページのFAQに書きました)。その数字を持っていくかどうかで、相談の中身がまったく変わります。
それから、場所の話です。この窓口は10府県・29店舗にしかありません。栃木・群馬・埼玉(熊谷市のみ)・千葉(柏市のみ)・山梨・岐阜・静岡・愛知・三重・大阪だけで、東京都と神奈川県には店舗がありません。該当しない地域の方は、上のタウンライフ家づくり(全国対応・来店不要)のほうをお使いください。
相談は来店が必要です(電話相談は対象外だと成果条件に書かれています)。所要は90〜120分だと広告主が案内しています。

くふうイエタテカウンターに無料で相談する

建て替えが難しいと判断された場合は、そこで終わりではありません。売る・貸す・持ち続けるの比較を見てください。建て替えの資金計画は、売却額と並べてはじめて判断できます。売却価格を自分で調べる手順は実家の売却相場を調べる3つの方法にあります。

あわせて読みたい

お住まいの自治体で調べる