空き家の3,000万円特別控除|6つの要件と、見落とされている「本当の期限」

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最終更新:2026年8月15日

結論だけ先に

  • この控除の有無で、最大609万円変わる
  • 2025年以降に相続した人の実質期限は、2027年12月31日(特例自体の適用期限)
  • 一度でも貸すと、永久に使えなくなる。 貸す前に決める

根拠と出典は本文にあります。急いでいる方は、下の目次から必要な章だけ読んでください。

この控除を使えるかどうかで、609万円変わります

正式名称は「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」(租税特別措置法35条3項)。相続した実家を売ったときの譲渡所得から、最高3,000万円を控除できます。

譲渡所得が3,000万円出たケースで計算すると、こうなります。

控除あり 控除なし
譲渡所得 3,000万円 3,000万円
特別控除 −3,000万円 0円
課税譲渡所得 0円 3,000万円
税額(20.315%) 0円 609万4,500円

出典:国税庁「No.3306」「No.3208」

609万4,500円。 これが、この記事を読む価値のすべてです。


【最重要】2025年以降に相続した人は、期限を勘違いしています

この控除の期限は、こう説明されます。

「相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に売ること
国税庁 No.3306

だから、2026年3月に相続した人は「2029年12月31日まで」だと思います。間違いです。

なぜなら、この特例そのものに適用期限があるからです。

「平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売って、一定の要件に当てはまること」
国税庁 No.3306

令和9年12月31日=2027年12月31日。

つまり、2026年3月に相続した人の実質的な期限は、2029年12月31日ではなく2027年12月31日です。

相続開始日 3年で計算した期限 特例自体の期限 実際に有効な期限
2023年6月 2026年12月31日 2027年12月31日 2026年12月31日
2024年6月 2027年12月31日 2027年12月31日 2027年12月31日
2025年6月 2028年12月31日 2027年12月31日 2027年12月31日 ← 1年短い
2026年6月 2029年12月31日 2027年12月31日 2027年12月31日 ← 2年短い

2025年1月1日以降に相続した人は全員、

実質の期限が 2027年12月31日 です。

この制度は過去に何度か延長されてきました。次も延長される可能性はあります。でも、それは決まっていません。 延長を前提に「まだ3年ある」と考えるのは、609万円を賭けた賭けです。

そして売却は、査定から引渡しまで3〜6ヶ月かかるのが普通です。2027年12月31日に間に合わせるなら、遅くとも2027年前半には動き始める必要があります。

早いほうの期限で、終わります 1 相続の開始 ここから数え始めます 2 3年を経過する日 の属する年の12月31日まで 3 令和9年12月31日 ★制度そのものの期限 4 確定申告 記載と書類の添付が要ります

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要件を1つずつ見る前に、売値の見当をつけておく

3,000万円の控除は、売って利益が出たときに効く制度です。売値がいくらになるか分からないままだと、控除が効くかどうかも決まりません。

先に断っておきます。買取は、仲介で売れた場合より手取りが下がります。それでも見る価値があるのは、比較対象の数字が手に入るからです。運営は株式会社ネクサスプロパティマネジメント(宅地建物取引業免許:国土交通大臣(1)第10311号)。同社は「個人情報の入力は不要、匿名のまま利用でき、営業電話もありません」という匿名のAI査定も公開しています(入力3項目・最短30秒/2026年6月20日 同社発表)。まだ売ると決めていない段階なら、まず匿名のほうで桁だけ確かめてください。ただし匿名で出るのは機械的な概算です。実際の金額を知るには、連絡先を入れて査定を申し込む必要があります(申し込めば担当者から連絡が来ます)。

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売ると決めてから調べるものではありません。決めるために調べるものです。年間の維持費は空き家の維持費を実額で積み上げた記事にまとめました。

6つの要件

ひとつでも外れると使えません。1つずつ見ます。

要件① 家屋が昭和56年5月31日以前に建築されたこと

昭和56年6月1日以後の建築は対象外です。旧耐震基準の建物を減らすことが制度の目的だからです。

建築時期は登記事項証明書で確認できます。法務局で取得できるほか、オンライン(登記情報提供サービス)でも確認できます。

「昭和56年築」と聞いていても、実際は昭和56年8月だった、というケースがあります。必ず登記で確認してください。 5月31日と6月1日で、609万円が変わります。

要件② 相続の直前に、被相続人が住んでいたこと

かつ、被相続人以外に居住していた人がいなかったことが必要です。

  • 親が1人で住んでいた → ○
  • 親と同居していた兄弟がいた → ×
  • 親が亡くなる前から空き家だった → ×

老人ホームに入所していた場合は、一定の要件を満たせば適用できる特例があります。ただし要件が細かいため、該当する場合は必ず税理士にご確認ください。 実務で判断が分かれやすいところです。

要件③ 相続時から譲渡時まで、事業用・貸付用・居住用にしていないこと

この要件が、最も多くの人を落とします。

一度でも人に貸すと、この控除は永久に使えなくなります。

「とりあえず賃貸に出して、借り手がつかなければ売ろう」

——この順番が、609万円を失う最短ルートです。数ヶ月でも、無償でも、貸付用に供した時点で終わりです。 親戚に「空いてるから使っていいよ」と言うのも同じです。

そして、一度失った権利は戻りません。 賃貸を解約して空き家に戻しても、要件は満たしません。

貸すか売るかは、貸す前に決めてください。

要件④ 売却代金が1億円以下であること

1円でも超えると対象外です。複数回に分けて売った場合は合算されます。

都市部の実家では現実的に問題になり得る要件です。

要件⑤ 譲渡時に耐震基準を満たすか、家屋を全部取り壊すこと

つまり、そのままの状態では売れません。 耐震改修するか、更地にするかのどちらかです。

2024年1月1日以後の譲渡では、ここが緩和されました。

買主が譲渡後、譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに耐震基準を満たす改修または家屋の全部の取壊しを行った場合も、特例の対象になる

これは実務上とても大きい改正です。従来は売主が先に数百万円かけて解体する必要がありましたが、買主が解体する前提で売却できるようになりました。

ただし、買主が期限までに実行しなかった場合のリスクは残ります。 売買契約書にその旨を明記しておく必要があるので、不動産会社と司法書士に相談してください。

なお、解体費用は譲渡費用として認められます(国税庁 No.3255)。譲渡所得の計算上、差し引けます。

要件⑥ 期限内に売ること

前述のとおり、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ令和9年12月31日まで。先に来るほうが実際の期限です。

そして判定されるのは引渡し(譲渡)の日であって、売買契約の日ではありません。年末ギリギリの契約は危険です。


★6つの要件は、条文のどこに書いてあるか

ここまでの説明は国税庁のタックスアンサーに沿ったものです。元になっている条文を、全文で置きます。まず、いちばん長い3項の柱書から。

租税特別措置法第三十五条第三項
相続又は遺贈……による被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等の取得をした相続人……が、平成二十八年四月一日から令和九年十二月三十一日までの間に、次に掲げる譲渡(当該相続の開始があつた日から同日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの間にしたものに限るものとし、第三十九条の規定の適用を受けるもの及びその譲渡の対価の額が一億円を超えるものを除く。以下この条において「対象譲渡」という。)をした場合(……第三号に掲げる譲渡をした場合にあつては、当該譲渡の時から当該譲渡の日の属する年の翌年二月十五日までの間に、当該被相続人居住用家屋が耐震基準……に適合することとなつた場合又は当該被相続人居住用家屋の全部の取壊し若しくは除却がされ、若しくはその全部が滅失をした場合に限る。)には、第一項に規定する居住用財産を譲渡した場合に該当するものとみなして、同項の規定を適用する。
一 当該相続若しくは遺贈により取得をした被相続人居住用家屋……の政令で定める部分の譲渡又は当該被相続人居住用家屋とともにする……敷地等……の政令で定める部分の譲渡
 イ 当該相続の時から当該譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
 ロ 当該譲渡の時において耐震基準に適合するものであること。

出典:e-Gov法令検索 租税特別措置法第35条第3項(全文を開いて確認/2026年9月3日)。括弧書きの一部を省略しています

この1項の中に、要件が4つ入っています

①制度そのものの期限は「令和九年十二月三十一日」。2027年12月31日です。②相続から3年の期限は「同日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日」。この記事が最初に書いた「2つの期限のうち早いほう」は、この一文の中に両方入っています。

③1億円は「その譲渡の対価の額が一億円を超えるものを除く」。「1億円以下」ではなく「1億円を超えるものを除く」という書き方です。ちょうど1億円は入ります。

④取得費加算との併用不可は「第三十九条の規定の適用を受けるものを除く」。39条が取得費加算の特例です。国税庁の要件文ではなく、条文そのものに書かれています。「対象譲渡」の定義から外されるという形です。

そして1号イが要件③、1号ロが要件⑤にあたります。「事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがない」——この記事が「一度でも人に貸すと永久に使えない」と書いたのは、ここが根拠です。

家屋そのものの条件は、5項にあります

同条第五項
前二項及び次項に規定する被相続人居住用家屋とは、当該相続の開始の直前において当該相続又は遺贈に係る被相続人……の居住の用(居住の用に供することができない事由として政令で定める事由……により当該相続の開始の直前において当該被相続人の居住の用に供されていなかつた場合……における当該特定事由により居住の用に供されなくなる直前の当該被相続人の居住の用……を含む。)に供されていた家屋(次に掲げる要件を満たすものに限る。)で政令で定めるものをいい……
一 昭和五十六年五月三十一日以前に建築されたこと。
二 建物の区分所有等に関する法律第一条の規定に該当する建物でないこと。
三 当該相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかつたこと……。

出典:e-Gov法令検索 租税特別措置法第35条第5項(全文を開いて確認/2026年9月3日)。括弧書きの一部を省略しています

要件①が5項1号、要件②が5項3号です。そして2号が「区分所有建物でないこと」——分譲マンションは、この控除の対象になりません。本文では触れていませんでしたが、条文には要件として書かれています。

老人ホームに入っていた場合は、5項の括弧書きです。「居住の用に供することができない事由として政令で定める事由」——条文はこれを「特定事由」と呼び、その場合は施設に入る直前の居住の用を見る、と書いています。要件②の判定が、相続の直前ではなく入所の直前に移ります。

家屋の条件は、5項に3つあります 昭和56年5月31日以前 5項1号。建築された時期 古い家だけ 区分所有建物でない 5項2号。マンションは対象外 一戸建てなら ほかに住んでいた人なし 5項3号。相続開始の直前に 同居は外れる 老人ホーム等の場合は「特定事由」の定めがあります

相続人が3人以上だと、控除額が2,000万円に下がります

2024年1月1日以後の譲渡から、もうひとつ改正が入りました。

家屋・敷地を相続または遺贈により取得した相続人の数が3人以上である場合は、1人あたり2,000万円まで

出典:国税庁 No.3306

兄弟3人で実家を相続して売る場合、1人あたり3,000万円ではなく2,000万円です。3人合計で6,000万円になります(改正前は9,000万円)。

税額にすると、1人あたり 1,000万円 × 20.315% = 203万1,500円の差です。

相続人の数で、控除額が変わります 1,000万円 控除額の差 2人まで 3,000万円 3人以上 2,000万円 税額では1人あたり203万1,500円の差

取得費加算の特例とは、併用できません

相続税を納めた方が使える「相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例」(相続税額の一定額を取得費に加算できる制度)があります。

この2つは併用できません。 国税庁の要件に明記されています。

「売った家屋や敷地等について、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例や収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと」

どちらか有利なほうを選ぶことになります。

一般に、相続税額が大きく、譲渡所得が小さい場合は取得費加算が有利になることがあります。この判断は税理士でないと難しいので、相続税を納めた方は必ず相談してください。

なお、取得費加算の期限は「相続の開始があった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで」=実質的に相続開始から約3年10ヶ月です。

39条を使うと、こちらは使えません 取得費加算の特例を使いますか はい 35条3項は不可 3項の括弧書き いいえ 35条3項が使える 有利なほうを選ぶ

申告しないと、適用されません

そして遺産分割がまとまっていない場合、この控除が使えるかどうかは国税庁の公開情報では確認できませんでした。3年の期限だけは待ってくれません。遺産分割がまとまらないときの期限一覧に、税務署へ何を聞けばよいかを書いてあります。

税額がゼロになる場合でも、確定申告が必要です。

この控除は「申告することによって適用される」制度です。申告しなければ、要件を満たしていても3,000万円は控除されません。

  • 期限:譲渡した年の翌年2月16日〜3月15日
  • 必要書類:譲渡所得の内訳書、登記事項証明書、売買契約書の写し、被相続人居住用家屋等確認書、耐震基準適合証明書(耐震改修した場合)など

「被相続人居住用家屋等確認書」は、物件所在地の市区町村が発行します。 取得に時間がかかることがあるので、売却を決めたら早めに市区町村に問い合わせてください。申告直前に慌てる人が多い書類です。


★2,000万円と申告要件も、条文にあります

控除額が下がる話も、申告が要る話も、条文の側にあります。

租税特別措置法第三十五条第四項
前項の場合において、当該相続又は遺贈による被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等の取得をした相続人の数が三人以上であるときにおける第一項の規定の適用については、同項第一号中「三千万円(」とあるのは「二千万円……(」と、「三千万円に」とあるのは「二千万円に」と……読み替えるものとする。

同条第十二項
第一項の規定は、その適用を受けようとする者の……確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨その他の財務省令で定める事項の記載があり、かつ、当該譲渡による譲渡所得の金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。

同条第十三項
税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。

出典:e-Gov法令検索 租税特別措置法第35条第4項・第12項・第13項(全文を開いて確認/2026年9月3日)。第4項は読替えの一部を省略しています

3つ、押さえてください

①4項は「三人以上」です。2人までは3,000万円のまま。3人になった瞬間に、全員が2,000万円になります。「3人目だけが2,000万円」ではありません。

②12項の「限り、適用する」。申告しなければ適用されない、という意味です。控除で税額がゼロになる場合でも、申告そのものは必要です。「税金が出ないから申告しなくていい」ではありません。

③13項に、救済の規定があります。「やむを得ない事情があると認めるとき」は、税務署長が適用できる、と書かれています。ただし「認めるとき」です。あてにできるものではありません。期限内に申告するのが原則です。

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★ 逆に、控除が使える方は先に読んでください

この控除は「耐震改修をして売る」か「建物を取り壊して売る」かが要件です(本文の6要件)。現況のまま買取業者に売ると、要件を満たさなくなる可能性があります。控除を使うつもりなら、売り方を決める前に、税務署か税理士に「この売り方で要件を満たすか」を確認してください。最大609万円の話です。数十万円の価格差より、こちらのほうがはるかに大きい。

①対応エリアは愛知・岐阜・静岡・千葉・埼玉・福岡・熊本の7県です。それ以外の実家は対象外なので、この記事の1つ目のCTA(全国対応の買取)をご覧ください。②査定額は「売れる価格」ではありません。③この控除を使うつもりなら、査定を頼む前に売り方を決めてください。本文のとおり、この特例は「耐震改修をして売る」か「建物を取り壊して売る」かが要件です。現況のまま買取で売ると、要件を満たさなくなる可能性があります。最大609万円の話なので、数十万円の価格差より優先してください。④このリンク経由の申込で、当サイトは広告収入を受け取ります。それによって査定額が下がることはありません。

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聞き方の順番を間違えないでください。「いくらで売れますか」より先に、「この控除を使いたいので、取り壊してから売る場合と、耐震改修してから売る場合の両方で見積もってほしい」と伝えてください。同じ会社でも、売り方を指定するかどうかで出てくる数字が変わります。

①申込のあと、電話またはメールで内容の確認と物件情報のヒアリングがあります。メールでも完了しますので、電話が苦手な方でも進められます。
②LINE相談からの申込は対象外です。フォームから申し込んでください。
③日本国外にお住まいの方は対象外です。
④売却を考えていない相談は対象外です。迷っている段階なら「まだ決めていませんが、金額を知りたい」と伝えてください。
1社の金額で決めず、仲介の査定と並べて比べてください。

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この記事で並べたとおり、3,000万円特別控除は要件が多く、1つ外れると3,000万円がまるごと課税対象に戻ります。やっかいなのは、外れたことに気づくのが申告のときだという点です。そのときにはもう売却が終わっていて、やり直しがききません。耐震改修をしてから売るか、解体してから売るか——この順番だけで結論が変わることがあります。売る前に、自分のケースで使えるかを確かめる価値があります。

この控除が問題なく使えると分かっているなら、相談する必要はありません。迷う要素があるとき(共有名義、被相続人が老人ホームに入っていた、店舗を兼ねていた、要件の期限が近い)だけで十分です。
相談そのものは無料ですが、税理士に依頼すれば報酬がかかります。依頼するかどうかは、減る税額と報酬を比べてから決めてください。特例で税額がゼロになるなら、依頼する意味は薄くなります。
問い合わせは「相続の相談」として送ってください。過去1年以内に同サービスを使ったことがある場合と、1世帯で2回目の相談は、運営側で受け付けない扱いになると明記されています。
当サイトは税理士ではありません。ここに書いた税の話は制度の説明であって、あなたの申告についての判断ではありません。同サービスの内容も同社サイトの記載であって、当サイトが利用して確かめたものではありません。

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よくある質問

この控除は要件より「手続き」でつまずく人のほうが多い制度です。ここでは書類の取り方まで書きます。

Q. 確定申告のとき、何を出せばいいのですか。

A. いちばん見落とされるのが「被相続人居住用家屋等確認書」です。これは税務署ではなく、実家のある市区町村が交付します。これが無いと控除は受けられません。

どこでもらうか 物件のある市区町村(空き家対策の担当課であることが多い)
様式 国土交通省が様式を公開しています。自治体のサイトからも入手できます
主な添付書類 原則として家屋およびその敷地の登記事項証明書。相続登記が未了、または換価分割を行っている場合などは、遺産分割協議書等が必要です
注意 交付まで日数がかかります。確定申告の直前に動くと間に合いません。売却が決まった時点で、市区町村に必要書類を確認してください

出典:国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)」(2026年8月16日確認)

登記事項証明書は法務省の「登記・供託オンライン申請システム」から請求できます。全国どこの物件でも、どこからでも取れます(オンライン請求・郵送受取520円)。

Q. 耐震改修をしないと使えないのですか。買主に壊してもらうのは?

A. 2024年(令和6年)1月1日以後の譲渡から、買主が工事しても対象になります。ここは大きな改正なので、古い解説だけを読んでいると判断を誤ります。

譲渡後、譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに当該建物の耐震改修工事又は取壊しを行った場合

出典:国土交通省(前掲)(2026年8月16日確認)

売主が先に自腹で解体する必要がなくなった、ということです。解体費150〜250万円を先に出せずに諦めていた人にとっては、条件が変わっています。ただし買主の協力が前提なので、売買契約の段階で取り決めておく必要があります。不動産会社にこの特例を使う予定だと最初に伝えてください。

それでも自分で解体するほうが高く売れる場合もあります。税金を入れた比較は古家付き土地で売るか、更地にして売るかにあります。

Q. 相続人が3人います。控除額は変わりますか。

A. 変わります。令和6年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上の場合、控除額は1人あたり3,000万円ではなく2,000万円になります。

ここを3,000万円のまま試算していると、税額が数百万円ずれます。判定ツールでは人数を入れて計算できます。

Q. 親が老人ホームに入っていました。使えますか?

A. 一定の要件を満たせば適用できる特例があります。「亡くなる直前まで住んでいたこと」が原則ですが、要介護認定などを受けて老人ホーム等に入所していた場合の例外が設けられています。

ただし、ここは実務で判断が分かれやすい部分です。入所の時期、認定の有無、入所後に家をどう使っていたか(誰かが住んでいなかったか、貸していなかったか)で結論が変わります。自己判断で進めず、税理士か所轄の税務署に確認してください。

確認書の交付を受ける段階でも、市区町村から老人ホームの入所を証明する書類を求められます。入所時の契約書や施設の証明書は、捨てずに取っておいてください。

Q. 相続してから3年経ってしまいました。もう無理ですか?

A. この控除は使えません。要件は「相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に譲渡することなので、期限は「3年ちょうど」ではなく、3年〜3年11ヶ月の幅があります。まだ間に合う可能性があるので、まず正確な日付を計算してください。

本当に過ぎていた場合でも、相続税を納めた方であれば取得費加算の特例が残っている可能性があります。国税庁 No.3267 は「その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること」を要件としています。

そして制度自体の期限は2027年(令和9年)12月31日までです。これから相続が起きる方も、この日付は頭に入れておいてください。

Q. 親が買ったときの契約書がありません。控除があれば大丈夫ですか?

A. 大丈夫ではありません。ここを誤解している人がとても多いです。

控除は譲渡所得から3,000万円を引くだけで、取得費の穴は埋めてくれません。契約書がないと取得費は売った金額の5%として計算されるので、譲渡益が控除額を超えた瞬間、契約書の有無がそのまま税額の差になります。

4,000万円で売った場合の試算では、控除を使ってもなお121万8,900円の差が出ました。建物については契約書がなくても国税庁の表から取得費を計算できる方法があります。片付けを始める前に、必ず書類を探してください。

契約書がないときに、取得費をどう出すか要件を満たすか判定する

まとめ

  1. この控除の有無で、最大609万円変わる
  2. 2025年以降に相続した人の実質期限は、2027年12月31日(特例自体の適用期限)
  3. 一度でも貸すと、永久に使えなくなる。 貸す前に決める
  4. 昭和56年5月31日以前の建築が必須。 登記で必ず確認する
  5. 相続人3人以上なら、控除額は1人2,000万円
  6. 取得費加算の特例とは併用できない。 有利なほうを選ぶ
  7. 税額ゼロでも申告が必要。 申告しないと適用されない
  8. 判定されるのは引渡しの日。契約日ではない

この記事で確認できなかったこと

  • 政令・財務省令の中身は確認していません。租税特別措置法35条は「政令で定める部分」「政令で定める事由」「財務省令で定める書類」を何度も参照しています。この記事では法律(措法35条3項・4項・5項・12項・13項)の全文をe-Gov法令検索で確認しましたが、租税特別措置法施行令20条の3および施行規則18条の2は開いていません。実際の必要書類は税務署または税理士に確認してください。
  • 老人ホーム等の「特定事由」の具体的な範囲は確認していません。5項の括弧書きが「政令で定める事由」としていることまでは条文で確認しましたが、その政令の中身(要介護認定の要否など)にはあたれていません。
  • 耐震基準の具体的な内容は確認していません。3項が「地震に対する安全性に係る規定又は基準として政令で定めるもの」としていることまでです。
  • 13項の「やむを得ない事情」がどう運用されているかの資料は見つけられませんでした。条文に救済の規定があることまでを書いています。
  • この記事に監修者はいません。条文と国税庁の公表資料で確認していますが、個別の判断は税理士または税務署で確認してください。とくに取得費加算(39条)とどちらが有利かは、税額の試算が要ります。

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