解体補助金は、県ではっきり分かれます|501市区町村を調べたら、27県は全部にあり、沖縄は8件中6件になし

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連載「全国、ぜんぶ調べた。」第2回

実家の解体に補助金が出るかどうかは、建物の状態ではなく、どの県にあるかで決まります。

当サイトは全国501の市区町村を1件ずつ公式ページで調べています。その結果を都道府県で並べ直したら、愛知県は調べた35市町村すべてに制度がありました。静岡16、岐阜11、栃木11、群馬10——合わせて27県が「調べた全部にあった」。

一方で沖縄県は8件中6件に、京都府は10件中6件に、制度がありませんでした。

そしてもう一つ、制度があっても使えないことのほうが、実は多い。そこまで数えました。

最終更新:2026年8月27日

結論だけ先に

  • ★501件のうち制度がなかったのは81件(16.2%)。ただし27県は調べた全市町村にありました。ない県とある県が、はっきり分かれています。
  • 「制度がある」と「自分が使える」は別です。501件のうち耐震型が74件。これは耐震診断を受けた古い木造住宅が対象で、空き家の解体に使えるとは限りません。
  • ★東京都は50件中、空き家特化がわずか8件。耐震型が18件、制度なしが9件。都心3区(千代田・中央・港)には制度がありません。
  • 要件を数えたら、旧耐震(昭和56年5月31日以前)が条件のものが139件(33%)、市内業者の利用が条件のものが129件、所得制限があるものが116件。
  • 沖縄県は8件中2件だけ。しかもうち1件(那覇市)は地区限定です。

この記事の数字は、当サイトが自分で集めた501市区町村のデータベースから数えたものです。全国約1,700市区町村の一部であり、人口の多い自治体を優先して調べています。そのため「全国平均」ではなく「調べた501件の中での分布」です。制度は年度ごとに変わります。必ず当年の公式ページで確認してください。

1. 501件を、6つの型に分けました

調べていて分かったのは、「解体補助金がある/ない」の二択では実態を表せないということでした。あっても空き家に使えない制度が多いからです。そこで6つに分類しました。

調べた501市区町村の、制度の型 501市区町村の内訳 当サイト調べ・2026年8月27日時点 空き家特化256件 制度なし81件 耐震型74件 部分的55件 要確認19件 地区限定16件 赤=空き家の解体には使いにくい型(155件・31%)
当サイトの補助金データベース(501市区町村)から集計
型 件数 空き家の解体に使えるか
空き家特化 256 使える。空き家であることが前提の制度
制度なし 81 そもそもない
耐震型 74 耐震診断が前提。空き家だと診断を受けられないことがある
部分的 55 解体単独では出ず、建替えやリフォームとセット等
要確認 19 公式ページの記載だけでは判断できなかった
地区限定 16 指定された地区の中だけ。市内どこでもではない
当サイトの分類。「使えるか」は要件欄の記述にもとづく当サイトの判断です

素直に使えるのは「空き家特化」の256件、全体の51.1%です。残りの半分は、ないか、条件が別のところにあります。

2. ★県で、はっきり分かれています

都道府県ごとに「調べた件数」と「制度がなかった件数」を並べました。

県別の「制度あり」と「制度なし」 県別・制度あり/なし 緑=制度あり 赤=制度なし 愛知県 35/35 静岡県 16/16 岐阜県 11/11 東京都 41/50 埼玉県 26/39 千葉県 19/29 茨城県 8/16 京都府 4/10 沖縄県 2/8 調べた件数が県で違うため、割合で読んでください
当サイトの補助金データベースから集計。調べた市区町村の数は県によって違います

調べた全市町村に制度があった27県

愛知県 35/35、静岡県 16/16、岐阜県 11/11、栃木県 11/11、群馬県 10/10、長野県 9/9、三重県 8/8。

以下、山口・広島・愛媛・山梨・香川・大分・山形・熊本・秋田・福井・鹿児島・富山・青森・宮崎・佐賀・島根・徳島・高知・和歌山・鳥取と続き、合計27県で「調べた全部にあった」という結果でした。

制度がない割合が高い県

都道府県 制度なし/調査数 割合
沖縄県 6 / 8 75%
京都府 6 / 10 60%
滋賀県 5 / 9 56%
茨城県 8 / 16 50%
宮城県 3 / 7 43%
千葉県 10 / 29 34%
埼玉県 13 / 39 33%
神奈川県 5 / 23 22%
東京都 9 / 50 18%
調査件数5件以上の都道府県。当サイトの補助金データベースから集計

直感に反するかもしれませんが、制度がない割合が高いのは「田舎」ではありません。沖縄・京都・滋賀・茨城・千葉・埼玉——都市部を含む県が並びます。逆に愛知・静岡・岐阜・栃木・群馬・長野は、調べた全部にありました。

ただしこれは当サイトが人口の多い自治体から優先して調べていることの影響も受けます。県ごとの調査件数が違うので、件数ではなく割合で読んでください。

沖縄県の8件を、全部並べます

市 結果
糸満市 制度なし
豊見城市 制度なし
名護市 制度なし
宜野湾市 制度なし
うるま市 制度なし
浦添市 制度なし
沖縄市 空き家特化(使える)
那覇市 地区限定(市内どこでもではない)
当サイトの補助金データベースより。2026年8月時点

8件中、市内どこでも使えるのは沖縄市の1件だけでした。

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補助金が出るかどうかとは別に、解体費そのものを下げる

この記事で見たとおり、501件のうち制度がなかったのは81件、素直に使える「空き家特化」は256件でした。補助が出るかどうかは市区町村で決まりますが、解体費そのものは自分で動かせます。タウンライフの解体一括見積りは、入力1回で複数の解体業者から見積りを取れるサービスです。補助金の申請には見積書が要るので、ここが揃わないと申請そのものができません。金額の幅が分かれば、補助が出なかったときにいくら必要かも先に見えます。

申し込む前に4つだけ確認してください。①解体する意思がある方が対象です。相場だけ知りたい段階なら、その旨を伝えてください。
②申し込むと解体業者から電話またはメールで連絡が入ります。所在地・建物の構造・おおよその延べ床面積を答えられるようにしておくと早く終わります。
③補助金は契約・着工の前に申請してください。見積りを取ったあと、契約する前に市区町村へ。順番を逆にすると補助はゼロです。
④解体すると翌年から固定資産税が上がります。住宅用地の特例が外れるためです。

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3. ★東京都の50件は、中身が違いました

東京都は「制度なし18%」で、数字だけ見れば悪くありません。中身を開くと違いました。

東京都 50件の内訳 件数
耐震型 18
制度なし 9
空き家特化 8
その他(部分的・地区限定・要確認) 15
当サイトの補助金データベースから集計

空き家の解体に素直に使える制度は、50件中8件しかありませんでした。

「耐震型」とは何か

実際の要件を、データベースからそのまま引きます。

木造住宅耐震診断助成金の交付を受けた住宅、または昭和56年5月31日以前に建築された木造で延べ床面積の2分の1以上を現に居住用にしている住宅であること。賃貸住宅は対象外。市の指定する機関の耐震診断を受け、上部構造評点が…(清瀬市・清瀬市木造住宅耐震改修等助成〈除却枠〉)

「現に居住用にしている」。空き家は、ここで外れます。

昭和56年5月31日以前に新築工事に着手した2階建て以下の一戸建て木造住宅、市の補助を受けた耐震診断でIw値1.0未満または容易な耐震診断で市が倒壊の危険性ありと判断したもの…(昭島市・昭島市木造住宅耐震改修等補助制度〈除却工事〉)

耐震診断を先に受ける必要があります。診断には申請と日程調整が要り、その分だけ時間がかかります。「解体しようと思って調べたら補助金があった」から着工までの距離が、空き家特化型とはまるで違います。

都心3区には、制度がありません

東京都で制度がなかった9市区は、千代田区・中央区・港区・小平市・狛江市・羽村市・あきる野市・国立市・武蔵村山市でした。

千代田・中央・港。土地の値段が最も高い3区です。解体しても土地が売れるので、行政が補助する必要がない——という理屈は成り立ちます。制度がないこと自体が、その土地の性格を語っています。

出典:当サイトの補助金データベース(各自治体の公式ページから採録)。個別の内容は空き家の解体補助金 全国一覧から確認できます。

4. 制度があっても、要件で落ちます

要件欄がある423件について、条件を数えました。

条件 件数 読者にとっての意味
旧耐震(昭和56年5月31日以前) 139(33%) それより新しい家は対象外
市内業者の利用 129 安い業者が市外だと使えない
所得制限 116 相続人の所得で落ちることがある
特定空家等・管理不全空家等 103(24%) 行政から勧告等を受けていることが前提
耐震診断 80(19%) 診断を先に受ける必要がある
居住していること 57 空き家は外れる
要件欄の記述を機械的に数えたもの。表現の違いで取りこぼしがある可能性があります

いちばん引っかかるのが旧耐震の139件です。昭和56年(1981年)6月以降に建った家は、この条件で落ちます。親が40代で建てた家なら、いま築40年前後。ちょうど境目です。

次が市内業者の129件。相見積りを取って安い業者を見つけても、市外だと補助が出ません。「補助50万円のために、見積り差50万円を捨てる」ことが起こり得ます。先に確認してください。

所得制限の116件も見落とされがちです。相続した空き家の場合、誰の所得で判定するのかを窓口に確認してください。

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解体の見積りを、もう1社から取る

1社の見積りだけでは、その金額が高いのか安いのか判断できません。解体工事一括netは、同じ物件について別の業者からも見積りを取れるサービスです。この記事で見たとおり、市内業者限定が129件、所得制限が116件。条件で補助が使えなかったときに効いてくるのは、解体費そのものの差です。2社目を当てておくと、金額の妥当性が自分で判断できます。

申し込む前に3つだけ確認してください。①解体する予定がない場合は申し込まないでください。
②申し込みには物件の情報が要ります。遠方の実家なら、次に帰ったときに外観と傷んでいる箇所を撮っておいてください。
③補助金を使う予定があるなら、契約・着工の前に自治体へ申請してください。着工後の申請は原則として通りません。

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5. 何を、どう調べればいいのか

  1. まず自分の市区町村に制度があるかを全国一覧で確認する。
  2. あったら「型」を見る。空き家特化なら話が早い。耐震型なら、耐震診断から始まります。
  3. 建築年を確認する。昭和56年5月31日以前かどうかで、使える制度が変わります。登記事項証明書か固定資産税の課税明細書で分かります。
  4. 解体業者を決める前に、市内業者限定かを聞く。129件がこの条件です。
  5. 所得制限の有無と、誰の所得で見るかを聞く。116件にあります。
  6. 制度がなくても、隣の市にはあることがあります。ただし補助は物件の所在地の自治体です。期待はできません。

やってはいけないこと

  • 「解体補助金がある」と聞いて、自分も使えると思い込む。素直に使える空き家特化型は501件中256件、半分です。
  • 耐震型を空き家特化型と同じだと考える。耐震診断が要り、「現に居住している」ことを条件にする制度もあります。
  • 業者を決めてから補助金を調べる。市内業者限定が129件あります。順番が逆だと使えません。
  • 建築年を確認しないで動く。旧耐震が条件のものが139件。境目は昭和56年5月31日です。
  • 「地区限定」を市内どこでも使えると読む。那覇市や品川区がこの型です。
  • 去年の情報で判断する。制度は年度ごとに新設・廃止されます。

よくある質問

Q. うちの市に解体補助金はありますか?

当サイトが調べた501市区町村のうち、81件(16.2%)にはありませんでした。ただし27県は調べた全市町村にありました(愛知35/35、静岡16/16など)。全国一覧で自分の市区町村を探してください。

Q. 制度はあるのに、対象外と言われました

よくあります。501件のうち耐震型が74件あり、これは耐震診断を受けた古い木造住宅が対象です。「現に居住している」ことを条件にする制度もあり、空き家はそこで外れます。ほかに旧耐震139件、市内業者129件、所得制限116件という条件があります。

Q. 都会のほうが補助金は手厚いですか?

逆のことが起きています。制度がない割合は沖縄75%、京都60%、滋賀56%、茨城50%、千葉34%、埼玉33%。東京都では50件中9件になく、空き家特化はわずか8件です。千代田区・中央区・港区には制度がありません。

Q. 昭和56年より新しい家は使えませんか?

使える制度もありますが、選択肢は狭まります。旧耐震(昭和56年5月31日以前)を条件にしているのは423件中139件(33%)です。残りの制度なら建築年を問わないものもあります。建築年は登記事項証明書か固定資産税の課税明細書で確認できます。

Q. 安い業者に頼みたいのですが

市内業者限定の制度が129件あります。先に自治体に確認してください。補助額より見積りの差額のほうが大きいこともあります。解体費用の相場を先に把握したうえで、どちらが得か計算してください。

Q. この数字は全国平均ですか?

違います。調べた501市区町村の中での分布です。全国には約1,700の市区町村があり、当サイトは人口の多い自治体から順に調べています。県ごとの調査件数も違うので、件数ではなく割合で読んでください。

まとめ

  • ★制度の有無は県ではっきり分かれます。27県は調べた全市町村にあり、沖縄は8件中6件になし。
  • 501件中、素直に使える「空き家特化」は256件(51.1%)。残り半分は、ないか条件が別にあります。
  • ★東京都は50件中、空き家特化がわずか8件。耐震型18件、制度なし9件。都心3区にはありません。
  • 要件で落ちます。旧耐震139件、市内業者129件、所得制限116件、居住要件57件。
  • 調べる順番は、制度の有無 → 型 → 建築年 → 業者の条件 → 所得制限。

この記事で確認できなかったこと

  • 全国約1,700市区町村のうち501件しか調べていません。人口の多い自治体を優先しているため、この記事の比率を全国の比率として読むことはできません。県ごとの調査件数も3件から50件までばらつきがあります。
  • 6つの型への分類は、当サイトが要件欄の記述をもとに判断したものです。自治体が公式にこう分類しているわけではありません。「要確認」19件は判断できなかったものです。
  • 要件の集計は、機械的な文字列の照合です。「旧耐震」「市内業者」「所得制限」は表現が自治体ごとに違うため、取りこぼしがある可能性があります。実数はこれより多いと考えられます。
  • なぜ県によって差が出るのかは、確認できませんでした。県の補助制度の有無、空き家率、財政力との関係は調べていません。
  • 耐震型の制度で、空き家が実際に対象になるかどうかは自治体ごとに違います。要件欄に「居住」の記載がないものもあり、一律に対象外とは言えません。窓口で確認してください。
  • 各制度の予算額・実際の交付件数は集計していません。

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